海苔の歴史
海苔の生産
新のりについて
海苔の等級?
海苔はどうしておいしい?
焼くとどうしておいしい?
おいしいのりって?
海苔の栄養価について


 海苔の歴史
海苔っていつ頃から作られるようになったの?
日本人は、先史時代から、海苔を含むいろいろな海草を食べていたようなんだけど
海苔の養殖が始まったのは、江戸時代に入ってからなんだ。
その頃は、何処で採っていたの?
記録によると、東京湾の葛西浦、深川浦辺りで採っていたようなんだ。
それを浅草で売ったので、「浅草海苔」と呼んだらしいんだ。
でもその後埋め立てなどによって、品川、大森と移り
現在の東京湾の海苔生産は千葉県に移ってきているんだね。

 

 海苔の生産
千葉県はどのくらいの生産量があるの?
日本全国の海苔生産量はおよそ、80億~90億枚
一人当たり 年間に約60~70枚位食べていることになるね。
明治維新当時は 一人当たり1~2枚位だったので、ずいぶん増えたことになるよね。

千葉県の生産量は年間約3億枚。量が少なく 高品質なので 入札平均単価は
全国でも最高値がつくんだ。
ちなみに生産量は佐賀県が最も多く次いで福岡県、兵庫県、熊本県といった順だね。
それでは 千葉の海苔が一番おいしいの?

よく○○産だからおいしいですよ。と宣伝文句でいわれますが、○○産のものだからどれもおいしい、なんてことはあり得ません。

千葉の海苔でも、おいしくない海苔はあります。むしろ これはおいしい!
という海苔が少なくなっているというのが、全国どこの産地でも共通の実態
ではないでしょうか。
私たち専門問屋の役割は、この玉石混淆の中から良質の品を選別して、お客様に
提供させていただくことに尽きると思います。


 

 新のり について

新のりっていつ頃から採れ始めるの?

産地によって時期は少し違うけど、千葉県では9月下旬から10月上旬頃にカキ殻などに
入っている海苔の胞子を網に付着させる「採苗」という作業をします。
採苗から20日ほど育ててから、一部の海苔網は陸揚げして冷凍庫に入れて保存する。
これを「冷凍網」っていうんだ。

新のりの収穫が始まるのが10月下旬から11月初旬頃。この最初に摘み取った海苔を
業者間では「秋芽」の初摘みと呼ばれるんだ。

その後2~3回摘み取っていくと、海苔がだんだん硬くなり品質が落ちてしまう。
そうすると先ほどの「冷凍網」と交換していくんだ。そしてこの冷凍網から最初に
摘んだ海苔も「初摘み」というんだ。

つまり「秋芽」の初摘みは一回だけれど、「初摘み」は冷凍網を替える毎に収穫でき
るんだね。この様に冷凍網を次々出していくことで、4月中旬頃まで収穫できるように
なるんだね。

 

 海苔の等級
海苔にも等級があるの?

生産者から出荷された海苔の品質を、検査員が調べて各海苔毎に等級をつけていきま
す。ただこの等級というのはあくまでも見た目の等級だから、等級が上だから必ず
おいしい海苔というわけでもないんです。

だから海苔の入札のときは、等級よりその時の各浜の状況や、海苔そのものの草質
をよく見て、長年の経験からおいしいと判断した海苔だけを落札するようにしてい
ます。
年間を通じて、海苔の仕入れをしていると、入札の回数毎に同じ等級でも品質が全く
違ってくるということはよくあります。他人の格付けではなく自分の目を信じて
買い付けるようにしています。

 

 海苔はどうしておいしい?
海苔は、どうしてこんなにおいしいの?
海苔のおいしさの秘密は
植物と動物の両方の旨み成分をもっているからなんです。

①昆布の旨みのグルタミン酸
②椎茸の旨みのグアルニン酸
③かつお節の旨みのイノシン酸
④貝の旨みのコハク酸

その他数十種類のアミノ酸がミックスして、海苔独特のおいしさを作っています。
これが、長い間人々に親しまれてきた秘密です。
まさに天然の旨み成分のかたまりなんです。
これほど旨みの詰まった自然食品って他にないですよね。

もともと、これほどの旨み成分を持っているのですから、「味付のり」のように
不自然な味付けをして、本来の微妙な味わいを殺してしまわずに、素材そのもの
のおいしさを是非味わって頂きたいですね。

 

 焼くとどうしておいしい?
海苔は焼くとどうしておいしいの?
海苔を焼くと、海苔の細胞を包んでいる膜の性質が熱によって変わり、細胞の中に
ためられていた旨みの成分が溶け出しやすくなるからです。

ですから、焼きのりを口に入れると香りと一緒に旨みも溶けだしてくるんです。

 

 おいしい海苔って?
おいしい海苔について教えて下さい。
「寿司のり」が一番おいしい海苔なの?

一般においしい海苔は「黒くてツヤが良いもの」といわれますが、皆さんが買われる
ときには、焼いて袋に入っているのでよくわかりませんよね。

それでは「寿司のり」が一番おいしい海苔なんでしょうか?

そうではありません。おいしい海苔は見た目だけではありません。

おいしい海苔とは、まずパリッと歯切れが良いこと。
口に入れたときに、香りが良いこと。
かんでいると、じわっと旨みと甘みが湧くように出て溶けるような柔らかさがあること。
それが当店がおすすめする初摘み海苔です。

でも歯切れの良く柔らかい海苔は、もろくて破れ易いんです。
破れやすい海苔は、お寿司やさんに嫌われます。
そして焼きのりの機械に通すときに、慎重に作業しないと、切れや破れがたくさん
出ます。ロスが多くなるので海苔加工業者からも嫌われます。

矛盾していますが、お寿司やさんからも、加工業者からも扱いにくいと嫌われている
このおいしい初摘み海苔は生産量も少ないこともあって、流通市場にはほとんど
出回りません。

でもこの海苔を食べてみてほしいんです。
海苔ってこんなにおいしいものだったのかと、驚かれると思います。

市場にはほとんど流通していなため、口に入る機会が少ないので驚かれても
当然ですよね。

この初摘み海苔焼きたてを食べてみたいかたは、こちらへ

 

 海苔の栄養価について
海苔の栄養価についておしえてください。

栄養価の面から考えても海苔は大変優れた健康食品です。

まずタンパク質含有量は大豆と同じくらいあり
カルシウムは海苔一枚で玉子の1/3個分、レバー300g分もあります。

とりわけビタミンも豊富で、ビタミンAはうなぎの3倍、ほうれん草の8倍
B1 B2 C などは野菜の10~100倍もあります。

海草の中で、これ程の多種多様のビタミンを含んでいる食品は海苔以外になく
さらに 鉄分 ヨウ素など重要なミネラルを含んでいるほか、人間の体内で
有効に働く微量元素も多く含む、バランスのとれた低カロリー食品です。

また、コレステロールを減らす効果も認められています。